1997年のドラマ「ギフト」でキムタクが共演したRCサクセションのボーカリスト忌野清志郎さんが亡くなってから今年で11年。
キムタクは共演したころから何度も何度も自分のラジオ番組で忌野清志郎のことを語り、亡くなってからも、そして現在でも彼とのつながりを大切に守り続けています。
10代のキムタクを救ったRCの曲
10代のころにやさぐれていたキムタクは、糸井重里氏からすすめられたRCの「君が僕を知っている」をきいてはじめて曲で救われるという経験をしたそう。
そのことは、2020年1月8日に発売されたキムタクが初ソロアルバム「Go with the Flow」に忌野清志郎の曲「弱い僕だから」を収録していることからもよく分かります。
さらに今年2020年の2月16日には忌野清志郎を敬愛するアーティストや著名人たちが集まり、それぞれの記憶に残るエピソードを語るBSフジの番組『Special Talk Session:輝き続けるキヨシロー』にも参加が決まりました。
これは、“なぜ忌野清志郎は、こんなにも多くの人から愛されているのだろうか?“をテーマに作成された2 時間の特別番組。
出演が決まったキムタクは番組に際して、「泉谷さんがどれほど清志郎さんを愛していたか、こうやって伺ったのは初めてでした。」などと語っていましたが、そういうキムタクの ”清志郎愛” もなかなかなものです。
ここからはメディアの中で垣間見れるキムタクの”清志郎愛”を紹介します。
ラジオ番組でキムタクが語ったキヨシロー愛
ラジオで話した内容です。分かりやすいように編集しています。
「木村拓哉のWhat's up SMAP」
この日はキムタクがラジオで初めて工藤静香との結婚をファンに向けて報告した回でした。
その回の中のワンコーナー「木村拓哉、あの歌のあの歌詞にググっときた」で、忌野清志郎の曲との出会いを話しています。
「ワタクシ・木村拓哉のおもう二十世紀の名曲、総まとめとゆう事で勝手にやらして頂きたいと思います。
まず!ひとつ目、木村拓哉が歌詞にグッ!ときた曲は!
“君が僕を知ってる”。これはねぇ、あの~RCサクセションのかなり前の曲なんじゃないかな。」
「糸井重里というオヤジに昔、『自分に何かあった時はダマされたと思って、このRCの“君が僕を知ってる”ってゆう曲、聴いてみぃ?』ってわれて。でも「忌野清志郎でしょう!?」とかオレ思ってて。”そんな曲聴いてどうたらこうたら、っつうのは、あんま・・無い・・・もんじゃない・・の?”とも思ってたの、オレ。あんま歌謡曲ってあんま、ホントに興味なかったから。」
「そんな自分にけっこう衝撃を走らせたのが、このRCの“君が僕を知ってる”っていう歌だったかな、うん。
これは歌詞の中でね、こういうのがあるんですよ。
“誰かが僕の邪魔をしてもきっと君は良い事思いつく、何でもない事で僕を笑わせる、君が僕を知ってる”っていうフレーズが出てくんだけどねぇ。ちょっとドキッ!としたよね。」
「曲を聴いてちょっと泣きそうになったのってこの曲だったかな?初めて。“何から何まで君がわかっていてくれる、僕の事すべてわかっていてくれる、上から下まで全部わかっていてくれる”ってねぇ、“わかってくれる”じゃないの、“わかって・い・て・くれる”ってゆうのがねぇ、何かすごいパンチを僕にかましてきまして。」
「木村拓哉のWhat's up SMAP」
キムタクは2週に渡って忌野清志郎の話をしています。
今回は、忌野清志郎が歌ったジョン・レノンの「イマジン」に関してです。
「はい、鳥肌!はい、鳥肌!これね、あの“Imagine”をね、民主主義とか社会主義とかっていう4つの漢字をドンって入れてきたりとかさ、もう忌野清志郎の頭ん中覗いてみたいよね。ホントどうなってんだろうっていうぐらい。
ホント夢じゃなくて現実なんだよっていうことを、ホントゆっくりなテンポの中でひしひしとこう・・訴えてるっていうか、訴えてるって言ったらヘンだな・・う~ん、語ってるような気がして。
何か、別に押しつけがましくもなく、無理やりでもなく、ただ歌ってるだけっていう感じの、忌野清志郎さんのテンションが好きだし。
でね、さいごの方にすごいリフレインでずっと流れるんだけど、“夢を見てるのは君ひとりだけじゃないんだよ”っていう。“世界中にみんないるんだよ”っていう。“仲間がみんないるんだよってそう思ってる、そういう夢を見てる仲間がいるんだよ”っていうね、ことがね、出て来るんだけども。
そうするとね、こういう言い方を自分から言っちゃうのもすごいイヤな言葉なんだけど、たとえば芸能人と一般の方とかそういう風なものも、実際問題やっぱあるわけじゃないですか。この日本の中で。あとリッチマンとちょっと苦しい方とか。いろいろ出て来るんだけど。
何かね、そういうの全部とっぱらっちゃったような感じがしてすごくね、これ聴いてっとね、オレやるぞ~!っていう感じになってきますね。
ちきしょう、ホントに。大好きだ、もう!忌野清志郎さん!」
「木村拓哉のWhat's up SMAP」
「ギフトっていう作品で、忌野清志郎さんとかと一緒に撮影があると渋スタの2スタの、2階ですよ、スタジオ出てすぐの所がね、コーヒー飲んだり、麦茶飲んだり、お菓子つまんだり・・みたいなスペースがあるんですけど。
そこで二人でギターでセッションもどきをさせてもらったりとか。」
「木村拓哉のWhat's up SMAP」
忌野清志郎さんが亡くなったことについてリスナーからのメールに対しての返事
「忌野清志郎さんが、先日、亡くなりましたね。
ボク的にはドラマ「GIFT」っていう作品でも共演させていただいてますし、その撮影をした後かな、自分、引っ越しして1人暮らししてたんですけど。そしたら朝の9時ぐらいにピンポーン、ピンポーン、ピンポーンって押す人がいるから「ふざけんなよ」と思って。
そんとき自分んちのインターホンを押してる人の顔が見えるモニターに、中日ドラゴンズのキャップをかぶった、すごいいかがわしい人が、映ってんですよ。
「うわぁ~、ダレだこれ??」と思って怖ぇ~と思ってたら、清志郎さんで。
『グッドモーニング~近所に引っ越してきたんだねぇ~』って言って、いきなり来てくれたりとか。
ホントに近所だったんですけども、『今回は清志郎さんが来てくれたんで、次は自分が行かせてください』って言ったら、『じゃあ、音楽研究所っていうところがあるから、そこで、一緒にギターとか、シャカシャカやろうよ。』つって。
本当にご自宅にあいさつしに行こうかなぁ~と思ったら『いや、自宅はいいからさあー、音研行こうぜ』って言って、ロックンロール研究所っていうのがありまして、そこに行って、ギターをシャカシャカやらせてもらって。」
亡くなったことを信じられなかった
「だから、何かねぇ、それこそあの、亡くなったって言うのを聞いた時に「はあ??」っていう、「何言ってんの?」っていう気持しかなかったですね。
清志郎さんの存在って言うのは、ぜんぜん自分の中からなくなってなくて、まあーいつかは、会うんだろうなぁ~と思いますけども。」
「清志郎さんの歌で、ボクいちばん印象的なのは、ちょっとアタマを抱えてた時期があったんですよ。その時に糸井重里さんが、「そんな君にぴったりだよ。この曲は・・・・」って言って、自分が全く知らなかった、RCの曲を教えてくれて。
”あー、なんか、オレ、安心していいのかなぁ~” みたいな、ある意味、曲にそういう、背中をポンって押してもらったって言うのは、初かな??いや、日本語のロックがあってよかったですねぇ。それがこちらの曲です。
RCサクセション、1980年のナンバーです。この曲はあの名曲「雨上がりの夜空に」の、カップリングとしてリリースされた曲なんですね。”君が僕を知ってる / RCサクセション”」
忌野清志郎のさいごのテレビでのゲスト出演はスマスマ
「清志郎さんがさいごにゲスト出演したテレビって、「スマスマ」らしいんですよ。咽頭癌の手術をして、復帰して、出てくれた2007年の12月の放送の「スマスマ」なんですけども。
あれ、復帰後の初のテレビで、ゲストという形で他の人がやってるテレビ番組に出演したさいごだったらしいです。
スマスマのあとにNHKのSONGSに出てるんですけども、それはゲストじゃなくて清志郎さんの特集番組だったから、人の番組にゲストで入ったのはスマスマがさいごだったらしいですね。
清志郎さんとさいごに会ったのは、あの「スマスマ」の収録がさいごだったかなぁ。
スタジオに入ってきてくれた時に、無言で握手したのを覚えてますね。
握手した後に、『いやいやいやいやいや。』つって、『いやいやいやいやいや。ねえ。うんうん』って、会話になってないんですけど成立してたんですよ。」
「かつて清志郎さんがですね、それこそ「FM東京、腐ったラジオ」っと歌った、ここ東京FMをキーステーションに全国38局ネットで、お送りしてます木村拓哉のワッツなんですけども。
すごいですよね、これ・・・腐ったラジオ。以外にも、いろんなこと言ってましたからね。「政治家の手先」とか放送禁止用語も普通に言ってましたね。
そんなことを貫いた一生を過ごした清志郎さんは、本物以外の何物でもないなぁ~と思いますけど、あの、今ボクが話した「FM東京腐ったラジオ」の意味がわからない人はネットとかで調べてください。色々載ってますんで・・・
そんな清志郎さんのロックっプリに比べたら、自分なんか、まだまだもう小学生の鼻歌ぐらいですね。鼻歌ですよ。もっともっと腹くくって、生きて行かないといけませんね。はい。」
「木村拓哉のWhat's up SMAP」
「今日、初めてこのワッツを聞いてる人も、ようこそ。って事で・・・ちなみに今日、4月2日は、忌野清志郎さんの誕生日ですねぇ。清志郎さんが引っ越しをして、最初の誕生日です。清志郎さんも、新生活、楽しんでますか?」
”よォーこそ / RCサクセション”
「清志郎さーーーーーん、ハッピーーーーバースデーーーー今日は一体、どんな誕生日を、過ごしたんっすかねぇ~。きっと、カカカカカカカカッとかいうの、やってんでしょうねぇ清志郎さん、よかったら、久しぶりに連絡くださーい。」
忌野清志郎トリビュートライブにキムタクが出演
2019年5月4日に東京・日比谷野外音楽堂で、忌野清志郎さんのトリビュートライブ『忌野清志郎ロックン・ロール・ショー』が開催されましたが、その日キムタクがライブの終わりにサプライズ出演しています。会場にいた人たちはびっくりしたでしょうね~。
そのときの出演メンバーは、RCサクセションのギタリスト・仲井戸麗市をはじめ、Char、鮎川誠、竹中直人、清水ミチコ、矢野顕子、のん、宮藤官九郎、夏木マリ、宮本浩次、梅津和時、三宅伸治などなど。
ちょっと考えられないメンツですが、これも伝説のジャパニーズロッカー”忌野清志郎”がいかに愛されていたかを物語るものですね。
「個人的に、あのユーモアだったり、カッコよさだったり、影響を受けた方だったので、いろんな想いがありますね。お亡くなりになった瞬間も、うそだろっ?て思いましたけど。
でも、曲は生きてるので。その曲を聞いて、いろんな想いをしたり励まされたり、笑顔になれたりっていう方もたくさんいらっしゃると思います。」
忌野さんとのたくさんの思い出を抱えているキムタク。
これからも途切れることなく彼のことを語り続けていくことでしょう。